DeNA創業者、南場智子さんの講演!就活生は必見。
「不格好経営」っていう本を書いてる人です。「NHK-プロフェッショナル~仕事の流儀~」でも特集が組まれてましたけど、とにかくオシャレだし、明るいし、頭がキレる。
http://toyokeizai.net/articles/-/60957
南場さんときいて思いだす爆笑エピソードがある。「マネージャー研修で、研修内容に"怒って"帰ってきちゃった」っていう話。
初めてマネージャーになったときに、米国のどこかの都市の研修に呼ばれました。そして新任のマネージャーたちが世界中から集まってきた。そのトレーニングというのは、人を内向的か、外向的かとか。知ってますこれ? センシングか、セイリングか。それからインチュエーションか、パースペクティブとか。いくつかの、すなわち2の4乗で分けてた。16通りです。人を16通りに分けて認識して、それに対してマネージメントスタイル、コミュニケーションスタイル、あるいはコーチングスタイルを変えていこうと。理解をした上で、激励の仕方とか、コーチングの仕方を変えていこうという内容だったんですね。
1週間あるトレーニングだったんですけど、2日目の朝に荷物をまとめて日本に帰ってきてしまった。チームメンバーを「たった16の引き出しに分類する」ことに不快感を表明しました(笑)
さすがの特異集団マッキンゼーの中でも、昇進研修で怒って帰った人は「マッキンゼー始まって以来」だったそうで。
人への愛と行動力があるよね。こういうお茶目な人大好き。年代一緒なら結婚したいです。
それはいいとしてですね、今回は講演の内容を書き起こしてみました。3年前に「DeNAの説明会」に参加したときのものです。いまでも忘れられない、そして色あせない内容です。文章でも十分に臨場感が伝わるとおもいます。
今日はDeNAのみんな、いそがしい中参加してくれてありがとう。
…DeNAの社員さん1人1人のメッセージが終わったあとのこと。
社員さんの中にはアメリカからスカイプで参加してくれた人もおり「アメリカからじゃ懇親会間に合わないだろうから、今日はこなくていいよ」という南場さんのジョークが炸裂したところから。
南場さんの講演内容
「最初に身を置く場所」
みんなもすごい忙しいんだよね、就活?むちゃくちゃ「大事」です。就活大変でしょ、かしこまった服着てる人が大半でしょ、・・・中にはものすごいだらしない服着てる人もいるけれども(笑)。
就活はとても「大事」なんです。大事というのはですね。終身雇用の時代じゃないから?「合わなかったらやめればいいや」と思うかもしれないけど。それは「大間違い」で、最初にどういうところに身を置くかということによって、自分の目線がある程度決まるんですね。
「数秒で測る体温計」
私はいっつもいうんですけれども、体温計で最近「数秒で測る体温計」があるじゃないですか。あれってね、どうしてそんな数秒くらいでわりと正確に体温測れるかっていうと「傾き」ですよね、最初の「初速度」みてるわけですよ、温度の上がり方も。それでだいたい「カーブ」が描ける。
同じことで、最初に身を置く場所で、みんながですね、どれくらい急速に立ち上がって成長するかというのが決まる。だから、ないがしろにしないでください。
「もう安定じゃなくなる」
それとですね、「自分で」決めてください。今まで世の中で「安定」と呼ばれてた会社が、もう「安定」じゃなくなるよ!?そういうことではなくて、その会社が「安定」だとかとかヘチマじゃなくて、自分がどういう初速度をつけられるのかっていう気持ちで、就職先ってのを、自分で納得するように決めてほしい。
「会社に迎合しない」
迎合しないで、まぁ迎合するっていうのは例えばですよ、「最後になんか質問ありますか」っていって、今日はみんなとてもいい質問をしてくれたけれども、「こういう質問をすればわりとウケがよくて無難なんだよな」っていうことをきくヤツと、今日みたいに本当にみんなききたいことをぶつけて「これをきかなきゃ帰れない」っていうふうにぶつけてくれる。 この「差」が意外と大人からみるとですね、如実にわかる。透けて見える。
だから会社に迎合してウケいいことしなくていいから、むしろ自分の素の姿をですね、自信を持って「表して」、それよりも重要なことは「会社の素の姿を暴くんだ」と。
「社長ではなく、若手にきく」
ね、「社長」は喋りがうまいです、だいたいね。今日の守安さん(DeNAの社長)はどうかわからんけども(笑)。それから人事はいいことしか言いません。
そうじゃなくて「若手」を摑まえて、とことん訊く。そして、1人や2人じゃない。できるだけたくさんの人と接点を持って、話をきいてですね、自分の五感で「この会社のほんとの姿が分かった!」というところまで訊いてください。
無礼な態度でやれっていってんじゃないですよ、それは大人のちゃんとした「礼節な態度」を保って。できるでしょ?もうみんな20歳超えてるでしょ、だいたい自分の人間力でですね、人の「本音」とか「本当のところ」を見極められる。
その調子で、会社の本当の姿を見極めてですね、そして納得のいく意思決定をして、初速度をつける、ということ。
それくらい大事なことだってことを肝に銘じてですね、この就活っていう、いわば「journey」ですね。やって欲しいと思います。それが自分の人生を大切にするってこと。
「是非ともDeNAに入ってくれとはいいません」
ぜひ、このいそがしい中、時間を使ってくれた人。「是非ともDeNAに入ってくれ」とは言いません。ね、ここで一回であっただけなんだけど、とにかく「約束」してほしいのは、自分の「人生」を大事にする。そのために「就活」を大事にする。真剣に、自分自身の意思決定をする。それだけをお願いしたいと思います。
人事、なんかいうことあるの?ある?OK。
そんじゃね。
南場さんも、話がうまかった。
もう、大喝采でしたよ。
南場さんが話し終わったあと。就活生のぼくたち。
話に食い入りすぎて、数秒「シーン…」と静まり返ってました。
1人ずつ現実に戻っていくように「パラパラ…」と拍手が起こりました。思い出したように。そのあとはもう、拍手喝采でした。
結論としては「社長」も話がうまいですが、「オーナー」も話がうまい。(現在、南場さんは社長を退任しています)
「人に憧れる」
ここからは、南場さんのあとで恐縮だけど、ぼくの話です。
就活を成功させる1つのパターンとして、第一線で活躍してる人間に「憧れる」こと。そして、周りの学生を見渡してみて、「こいつらと一緒にやって楽しいだろうか?」と自分に問いかけること。
選考や内定者懇親会に参加してみたら、なんとなく会社の雰囲気が分かるでしょう。同期と話をしてみて「キツそうだけど、楽しそうだな」と思うなら、GOサインです。
南場さんは「若手社員を捕まえろ」といっていたけど、ぼくは「同期」も大切な要素だと思う。同じような想いを持った人が集まる「場」には「好循環」がある。入社してからバラバラになっても、どこかでアイツががんばってると思うと、自分もがんばれる。
現実は厳しいです。目の前の仕事に追われて、環境に閉じ込められて、「自分の人生こんなんでいいのか?」って思うこともある。けど、同じ志を持つ仲間は必ずどこかで再会できる。仕事をはじめて現場に配属されたらそれぞれ大変だけど、人生は1人1人違うけど、心の支えとなる存在ができる。
ちょっと暑苦しい話になったけれど、就活というのは同志やステージの上の人と面識を持つチャンスなんです。人と繋がるってこと。
するとどうなるか。企業を超えて人脈ができる。企業にとって必要な存在になる。するとどんどん、楽しくなる。
p.s.
「就活っていう、いわば"journey"」って言う表現は南場さんらしくてほほえましかったです。
ではまた次回。