【後編】とある外資系製薬企業、サマーインターンでの人事部長の話
後編です。
【前編】とある外資系製薬企業、サマーインターンの人事部長の話から引き続き、製薬会社のインターン中に、人事部長が参加者に向けて語ってくれた話です。
目次
- インターンシップを終えた文系・理系・薬学部の君たちへ
- 全日空(ANA)の「1%」キャンペーンの話
- マーケティングも営業も「相手の事を考える」こと
- 製薬会社のMRとして求められる「信念」
- 就活を越え、インターンを越えて、社会人として成長する
この人は本人じゃないけど、こんなような人です。もっともっと優しい感じ。じゃ、続きから行きますね。
4.製薬会社のMRとして求められる「信念」
目先の目標にとらわれないように
社会は常に変動しているから、顧客のニーズも変わってくる。インターンの選考で、ターゲティングは3ヶ月ごとに見直すことが重要だといいました。
製薬業界をとりまく環境も、常に変動して今後もっと多くの「規制」がかかってくると思います。でもね、やってはいけないのは「目先の目標にとらわれる」こと。目先の目標にとらわれて、意思決定を間違えてはいけない。MRなら「最終的に患者さんのためになるかどうか」を常に考える。主にドクターと会って「打ち手」をたくさん考えるんだけど、本当に大事にするべきは「患者さん」です。
社会人になるとね、製薬業界に限らず色んな「葛藤」があると思う。仕事をしていて戸惑うこともあるよ。そのときに正しい意思決定ができるかどうか。
「上位目標を持つことの大切さ」
社会人になると色んな「葛藤」と戦うことになる。だから、自分なりの信念―上位目標を持って社会に出るといい。 いまはまだ分からないかもしれないけれど、ぼくみたいにオジさんになると、身に染みて分かるんだ。
これまた有名な話だけど「 ディズニーランドのお子様ランチの話」って知ってる?
ディズニーランドに夫婦が2人でやってきて、レストランにパッと座った。ウェイターが「ご注文は?」というと「お子様ランチを2つください」と。ディズニーランドの決まりによると、お子様ランチは7歳までしか出せない。このルールに従うとなると、ご夫婦にサービスできないわけだよ。ウェイターさんはどうしたと思う?
「どうされましたか?」と訊いた。そしたら、実はお子さんがいたらしい。でも残念ながら亡くなられた。そして、お子さんと「ここで一緒に食べようね」と約束していたと。
これをきいたウェイターさんは、即座に「こちらへどうぞ」と4人掛けのテーブルを用意して夫婦を案内した。そしてちっちゃなイスを持ってきて「お子様はこちらにお座りください」といった。
ウェイターさんの行動は「7歳以下ルール」という現場のルールを破った、という意味ではバツだ。けれども「人々の幸せを約束する」というディズニーランドの大目標にはマル(〇)だよね。「上位目標を持つ」というのは、こういうことなんだ。
MRだって同じ。迷った時には最終的に「患者さんのためになるか」という軸で考えないといけないよね。迷ったときこそ、自分の信念や上位目標(大目標)に立ち返る。
人それぞれの価値観を持って社会に出て、みなさんは葛藤と戦っていくことになる。上位目標に立ち返る重要性というのは、年をとればとるほど身に染みて分かると思う。今理解するのはムリな話かもしれないけれど、何か困ったことがあるたびに立ち返って欲しい。
□社会のニーズは常に変化する。
□社会の変化に対応しつつ、目先の目標に惑わされないこと。
□企業の上位目標である「理念」と、自分の上位目標である「価値観」や「信念」をすり合わせる
5.就活を越え、インターンを越えて、社会人として成長する
「人々の健康に貢献する」
ディズニーランドの上位目標が「人々に幸せを提供する」なら、製薬業界は「人々の健康に貢献する」が上位目標です。これに共感してくれたなら、製薬業界・医薬品業界で働く価値が十分にあると思います。
外資系企業ですから、30歳になったら課長になれるとか、40歳になったら 所長になれる!なんていいようなわるいような話はありません(笑)。専門スキルやリーダーシップに応じて、ポストが用意されます。やはり限界をつくらず、上を見続けて欲しい。
その上でもし製薬会社に興味をもっていただけたというのなら、ぜひMRとして現場をみて、患者さんの立場になって物事を考えられる人間になった上で、ですね。次のポジションに行って欲しいとおもいます。
成長のモチベーションになるのは「憧れ」
小さいとき覚えてる?女の子は分からないかもしれないけどさ、私なんか長嶋茂雄に憧れた。憧れて、バットを振ってた。でも当然思うようにいかない。ここに「ギャップ」が生まれる。どうしたら長嶋茂雄に近づけるかを考えて、うまくいかない悔しさや憧れの相手とのギャップが、モチベーションになる。
「自分は小学生だから長嶋茂雄になれるわけがない!」なんて思ったら、成長止まるよね。小学生なのに自分のバッティングフォームの研究ばかりしてたら、成長できないよね。人に憧れ、人のマネをしてみて、相手とのギャップに悩むこと。これが成長に繋がるんだ。
「自分さがし」と「自分なくし」
「自分さがし」だとよく言うけれど、成長するためには「自分なくし」で人をまねること。就活のために自分を探してもらったらいいけれど、いつまでも自分を探してて、成長なんてできるだろうか?なんとなくわかってもらえたかな?
これが、インターンを通して我々が伝えたかったことです。インターンシップを受けたから就活や選考に有利?全然関係ないよね。今後のみなさんの人生に「どう生かすか」を考えてほしい。
□製薬業界においては「成長」=「社会への貢献」
□過去を振り返る「自分探し」とは別で、成長とは「自分なくし」である
□ 憧れる対象と自分とのギャップが成長につながる
数日間、お疲れ様でした。
あとがき
問題のないようにボカした部分や付け足した部分もありましたが、いかがだったでしょうか?何か1つでも、就活と人生のために学べたことがありましたか?
「正しい問いを立てる」 ことの重要性
はたして就活生にとって「正しい問い」なのか?と感じてしまう質問があります。
- 文系や理系でもMRになれるの?
- MRになるには薬学部出身じゃないとダメ?
- 激務なんでしょ?
こういった質問はよくあるけど、いかに「就活の本質」からズレた質問であるか。ここまで読んでくれたあなたなら分かってもらえるはずです。
1つ、例をあげましょう。大学生といえば恋愛、男なら女の子と「したいこと」が色々ある(笑)。まだ付き合ったことがない人からこんな質問をされたとします。
- ぼくの顔や学歴でも、可愛い子と付き合えますか?
- 月にいくらのデート代で、月に何回ヤレますか?
- 可愛い子って性格悪いんでしょ?
本質そこじゃないでしょ!ってツッコミたくなりますよね。
同じことで、就活だって的外れな就活をしないことが重要なのです。正しい問いさえ立てられれば、就活の成功確率は大幅にアップします。 正しい問いを立てられれば、正しい答えが見つかるからです。
実は正しい問いを見つける方が、答えを見つけるよりも難しいと、アインシュタインも言っています。
問題をつくりだしたときと同じ思考で、その問題を解決することはできない
つまり、問いのレベルを高め、正しい問いを考えることが重要だと。
正しい問いを立てるために「経験」する
正しい問いを立てるために必要なのが「経験」です。「正しい問い」は価値観や信念によって異なるので、自分が立てるべき問いはどこにもないからです。
補足:高い実績はなくてもいいですが、経験は必要です。経験をチューニングすることで、十分実績になります
バイトやサークルの経験、留学の経験。色々ある経験の中でもオススメなのが「インターン」です。記事上部にも書きましたが、インターンの参加者はネスレジャパン、オリエンタルランド、PMDA(日本医療機器総合機構)、三井住友銀行...etcに内定していきました。インターンって重要なんです。出会いって大切なんです。
大学1年生や2年生からでもガンガンインターンすべきですし、なんなら休学して3ヶ月~の長期インターンを経験すべきだとさえ考えています。
内定後の話
内定をいただきましたが、私の至らなさで入社には至らず。インターンより手塩にかけていただき、お世話になった企業の担当者の方々、申し訳ありませんでした。気になる人はブログ創設のストーリーと、外資系企業トップ入社を逃した男の話。 - 就活Hack|Design your Lifeに書いてあります。
さいごに
「もっと訊きたい!」「社員を紹介してくれませんか?」という方がいれば、コメントやLINEでコンタクトしてきてください。外資・内資問わず20社以上の製薬会社MRの知り合いがいるので、何かしら役に立つかと。礼儀は守って。(研究職や開発職のニーズはあるんか)
あなたの友達に、MRが選択肢の1つであることを記事をシェアして伝えてあげてください。
この記事が、あなたの就活を加速させる「エンジン」となりますよう。