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正しい問いを立てよう。

トップクラスの起業家・福山さん(仮)と会った話をする②顧客体験

トップクラスの起業家と会ったシリーズ②。

『顧客体験』を考えた話です。

次の経済は「Experience」

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IT経済の次にあるもの

気が早い話なんだけど、ここから行ってみよう。

これまでの世界の経済成長は

農耕経済→工業経済→IT経済

というふうに発展してきた。

畑を耕す、リーダーをつくる、組織化する・・。小学校や中学校で習ったことだ。

そして電力が生まれ、飛躍的に生産性が高くなった。今では「食べ物には決して困らない時代がきた」といわれる。

さて、我々が直面しているIT経済。多くのマネーは仮想になり、世界中の時価総額が現金総量をはるかに超えるような面白い経済だ。情報空間が圧倒的に広がり、こうして書いた文章を読んでくれているあなたがいる。

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近年乗数的に成長が早まっているので「先が読めない」というのがよくある話。先なんて読む必要ないんだけど。

 

さて、農耕は人々の生活をより安定させました。

工業(というか産業革命)は人々の生活をより豊かにしました。

ITは人々の情報空間を拡張させ、、、というのが現状。

ITはどこへ向かうのでしょうか。これはまだキャンパスが白いままです。そして、ITの次にある価値観に包まれた世界とは、どんな世界なのでしょうか

つまり

農耕→工業→IT→[??]

の[??]にあてはまるもの。それは何だと思いますか?

 ・

「体験そのものが価値となる経済」です。

経験経済。

私はこれを「世界観」と呼んでいますが、福山さんは「経験経済」と呼んでいました。

マーケティングの未来を予測し、ほとんどドンピシャで当てている「Experience Economy」に書いてあるそうです。

これ旧訳。流通科学大学出版っていうところが訳していて、訳はヘタだけど取りこぼしがないバージョン。

こっちは新訳。電通の人が翻訳していますが、随所に省略があって微妙な評価の模様(自分は黄色い本買いました)。

なのでこの本をできれば原書

英書The Experience Economy: Work Is Theater & Every Business a Stage

で読むことを薦めますが、まぁぼく自身広辞苑を読破するのと同じくらい英語の本が苦手なので、デカい口は叩けません。(※旧訳の方は絶版なのでAMAZONにはあと7冊しかありません。注意(2016年1月現在)※)

 

マーケティングや企画・付加価値みたいなものは

起業家・マーケター・営業・企画畑・ブランディング・デザイナー・SE 

要は全ての人が一度は触れておくべき必須スキルです。これは断言します。これないと人生楽しめないとさえ思ってます。なので興味あったら即注文して、読む気がなかったら家においといて、読む気になったら読んでください。それくらい重要。

福山さんもいってたけど、大企業の人間の価値がどんどん暴落していくからね?これから。 

体験を売る企業であれ。

要は顧客体験なんですよね、経験経済って。

分かりやすくいうと、同じ商品だったら感じのいいイケメン店員さんから買った方がいいじゃないですか。さらにいうと、海外旅行いきたいときにYOUTUBEで現地の動画を見たり、GoogleEarthで散歩したり、体験記のブログ読んで写真みたりしたらそれなりに満足じゃないですか。

福山さんの場合は、Webコンテンツをキュレーションして提供することが「価値のある経験」っていうことだった。更に指摘していたのはディズニーやスタバ。

ディズニーもスタバも、世界観込みでオファーしてる。だから「比較できない価値」がある。もちろん、そこにはビジネス上の囲い込み戦略とか相乗効果とか必要だけど、核になっているのは「世界観」であり「顧客体験」だ。

顧客体験が重要になったワケ

これだけで長くなっちゃうから簡単に整理しておくけど、顧客体験が必要になったのは「みんなの世界観がバラバラになったから」なんだね。

たとえば戦時下。みんなひもじかったわけ。みんな戦争に負けて悔しかったわけさ。ナニクソコノヤロウ、ってみんながんばった。それで今がある。そんな時代に「安くて美味いラーメン」を出す。これは売れる。だってみんなにとって価値があるから。安い、というだけで価値になったことももちろんあるけれど、それ以上に「安い」という部分にコンテクストが豊富にあったとぼくは思っている。

だけど今は安いだけじゃ売れない。絶対売れない。なぜなら「つくり方はいくらでもパクれる」し「安さの限界が見えた」から。そして安いという文脈に、安い以上の価値が生まれなくなったからだ。

価値観の古い企業が凋落していく理由

幸楽苑っていうラーメン屋があるけど、あれは中高年層に常連客が多い。あえて安いラーメンが好きっていう人が多い。そして、新戦略として高単価ラーメンへ価格帯を広げようとしている。けど売れない。なぜなら「高単価であるだけの理由や世界観」がないからだ。

ただ美味いってだけじゃない、なぜそのラーメンを出すのか。顧客にどんな世界観を味わってほしいのか。これを設計していかなければ、決して高単価ラーメンは売れない。高いだけなんだよ、美味しいけどそこで食べる理由にはならないんだよ。チェーンはチェーン。そこから脱却してほしいが、どうなるか。