就活Hack|Design your Life

正しい問いを立てよう。

「5年後/10年後のビジョン」の質問は廃止しましょ。

こんにちは、Kです。今日は「〇〇年後のビジョン」の答え方を伝授します。困るよね、この質問。スラスラ答える就活生もいるけど、賭けてもいい。

 

お前絶対それ思ってないでしょ。

 

ドヤ顔で訊いてくる面接官もいるけど、賭けてもいい。

お前もビジョンないだろ。

f:id:jobhuntinghuck:20150920013539j:plain

 

というかね、突拍子もない「ビジョン発表会」なんてのは採用コンサルタントの入れ知恵なんです。採用コンサルタントに「どんな質問したらいいですか?」「5年後のビジョンをきくといいですよ」「そうなんですか!分かりました!」っていう流れ。

 

「質問のナンセンスさを分かってる人事」はまだいいです、「ドヤ顔できいてくる意識高い系人事」には注意しましょう。入社1~3年目で人事任されるようなベンチャーに多いんだけど、こんな茶番で学生の評価決めるなんて、学生に対する責任分かってないよ。就活生からすればタダの「時間のムダ」なんだから。意識高い系の人事は自分でちゃんと新卒採用分野の勉強するか、ちゃんと採用コンサルタント選んでよ。

 

就活生からしても、就活のうわっつらテクニックに終始してる情報がものすごく多いでしょ、それで精神的にも時間的にも余裕なくなっちゃって。

 

テクニック使わざるを得ない。

 

そして「就活ってそんなもんなんだ」って、多くの就活生が勘違いしちゃう。ほんとうはそんなことない。キャリアビジョンの質問の中で、重要なことは何か。人事に訊かれたけど無視してもいいものって何なのか。

f:id:jobhuntinghuck:20151005183623j:plain

面接官は神様ではありません。就活に関しては就活生の方がよく分かってることもある。人事だって苦しんでることもある。そんな人事の本音を、あなたは分かってあげてますか?

たかが「キャリアビジョン」1つの質問だけど、この質問の意図と背景を理解すれば、あらゆる面接の質問に応用できますよ。

  • キャリアビジョンなんて必要?
  • 結局、人事は何がききたいの?

そんなところを意識して読んでもらえるとうれしい。 

答えを探すのはやめて、人事の気持ちを。 

いくら社会人といっても、答えなんて持ち合わせちゃいないんです。8割以上の人は、働きながらも迷ってる。いくら面接官でも、本当に優秀な人材なんて分からない。その中で「上司に評価される採用」「採用ノルマを達成する採用」をしなくちゃいけないんです。

 

それならば、就活生側がそこまで考慮して配慮して、あなたなりの答えを提示してあげる。実はこれが、就活を成功させる秘訣です。就活に限らず「Design Your Life」の秘訣でもあります。

 

人事も分かってない、「〇〇年後のキャリアビジョン」

f:id:jobhuntinghuck:20150920013834j:plain

人事だってわかっていない、と言いました。単なる採用コンサルタントの入れ知恵だとも言いました。おバカな人事だと「どれだけしっかり答えてくれるか」にフォーカスしてしまうし、質問の仕方もへたくそ。

それも、だいたいいきなり「〇〇さんの、将来のビジョンについてお聞かせください」って言ってくるわけで

 

文脈は?文脈どこいったの?

「お前のビジョンはなんですか?」

ってきいてやりたい。

年収800万円の旦那をみつけることですか?
有給まとめてウユニ塩湖にバックパックしにいくことですか?
ディズニーランドのシンデレラ城にとまることですか?

楽しそうでいいねー!いいキャリアビジョンだ!。不採用。 

社会人になっても、具体的過ぎる〇年後の目標は危険。

できる社員ほど、具体的過ぎるキャリアビジョンなんて持っていない。そもそも、成長する前から見えるビジョンと、実際に成功した後に振り返ってみるビジョンなんて別物だから。

アンテナさえはっていれば、出会いが自分を成長させてくれる。与えられた環境で120%の期待を打ち出していくことが、ぼくの見た成功者が全員やっていることなんです。

 

成功の要素はたった1つです。

 

「偶然」

 それだけ。

 

Steve Jobsがいうように

点と点が繋がることを信じて、やるしかない

のです。未来の自分からでしか、点と点を線でつなぐことはできませんよね。 

とあるITベンチャーでの体験談

f:id:jobhuntinghuck:20151005183921j:plain

ぼく自身、「〇年後のキャリアビジョン」について訊かれたことがあります。

 

人事の人は美人なだけの、いや美人な方だったんですけど。そのとき助っ人の採用コンサルタントがいまして。ちょっとお猿さんに似てた方なんですけど。

「1億円あったら何をしますか?」っていう質問の後のことです。(これはこれで記事かける質問ですけど)採用コンサルタントの人が、ドヤ顔で聞いてきたんですよね。「あなたの将来のビジョンはなんですか?」って。

お前がきくのかよ…内心、美人な人事がパートナーでウキウキしてんのかな…サルだけに…ちがった…どうでもいいわ…サルなんて…

将来の目標あったよね…そこからブレークダウンすればいいんだ!そう…オレの目標は「出会ったすべての人に影響力のある人間」だ…だから、5年後はそう、、、ちょっと影響力のある人間」

 

ちがうな…

 

 

 

とまぁ紆余曲折ありまして、落ちました。

 

 

Q「ビジョンって持ってなきゃ評価されないわけ?」

A.そんなことあるわけないでしょ。

でもね、ビジョンを評価したがる企業もあるんだよ。これから、その本音を解説する。実は面接終わったあと、人事のお姉さんに「ぜひ参考にしたいので、〇〇さん(人事)のビジョンを教えていただけますか?」ってきいてみたんですよ。

 

ビジョンの質問があんまり唐突すぎたし、答えて当然みたいなコン猿タントの表情が気になったので。もうこの企業はいいわ。でもビジョンって今後、考える必要あるのかな、社会人にとってビジョンってほんとに必要なのかな、って。だって、周りの就活生はとってつけたような回答ばかり。これで差がつくのか?と。

 

そしたら人事さん「それはこちらが答えてもらう質問ですので…」との回答。まあその通りなんだけどさ。お前らの採用って何を大事にしてるの?しょーもな、って思っちゃった。時間の無駄だと思った。 

ビジョンをききたい人事の「本音」とは 

f:id:jobhuntinghuck:20150920014211j:plain

これ素直に答える系の質問じゃないです、まったく建設的な質問じゃない。こちら側で前もって咀嚼しておく必要がある。 

女の子との会話で例えるならば「ねぇ、一生一緒にいてくれる?」ってきかれたときと同じ。ほんとこれ、男子は苦手。すっげーマジメに考えちゃいませんか?

 「一生一緒!?!?」「一生!?いられるかな…一生も…」って。重苦しく考えがち。だ・け・ど。女の子はそんなこと求めてないみたいね。「一生一緒」を保証する必要はなくて、「今どれだけ大事だと思っているか」さえ伝わればいいんだと。

つまり、女の子の「永遠を『今』感じたい」という本音が分かっていることが大事!ということです。

 

だからね。「5年後のビジョン」「10年後のビジョン」についても、ポイントをすりかえておいてください。 

つまり、

  • 「ビジョンはありますか?」→「ある」or「ない」

という表面上で受け取るのではなく

  • 「ビジョンはありますか?」というのは「キャリアについてなんとなくでいいから、どう考えてるの?」「うちで何ができるか、理解してくれてる?」という2点に応えればいいんです。

まとめていえば「あなたの1.キャリアに対する視点と、2.企業理解・職種理解をアピールしてください」という質問に置き換えられるわけです。

 

1.キャリアに対する視点→どのように成長したいか

成長意欲があるのは当然なんでおいといて。「自己分析」の分野になるかな。

成長のタイプ

「人から学んで成長したい」のか「どんどん挑戦して成長したい」のか。そしてそう思った理由として、具体的なエピソードを。「過去、人に大きく成長させてもらった」からなのか?「挑戦なくして成長なしと思った経験がある」からなのか?

成長した自分のイメージ

「人と人を繋げて新たな価値を生み出せる人間」なのか「自分の専門分野を突き詰めて、その知識とスキルを人に提供していける人間」なのか。

 

※「具体性を持って抽象論を展開する」ことで、抽象論に説得性がつきます。

 例)「私は〇〇な人間になることを目標にしています。というのは、大学時代に△△を経験しまして、ここで〇〇になることが自らの価値を最大化することだと考えているからです」

みたいな。これね、すごく就活就活してるでしょ。価値の最大化とか、理想の自分とか。宗教がかってるとさえ感じる。でも、こう答えざるを得ない。全てにおいて、個々人の価値観がベースになっているんですよ。30秒や1分では「語りつくせない前提」がたくさんある。だから、人事から深掘りされたときにボロがでやすいし、その人自身の言葉で語っているかどうかも、訊いてる側からすると分かりやすい。

ま、こんなことまで考えて人事が質問してるかどうかは怪しい。そもそも自身のキャリアについて深く考えている人間なんて社会人でも100人中1人いるかどうかだし。

就活生と二人三脚で考えなきゃいけない質問を丸投げしてるみたいで、イヤなんですよね。面接だって会話でしょ。少しの間だけど、お互いのことを知って、前に進むための時間。こんな重たい質問を軽く投げてくるなんて、どうかしてる。本音でいえば、こんな質問を軽々しく投げてくる人事のいる会社はいかなくていい。

でもそんなことも言ってられないと思うし、社会に出てからこうやって攻略法をお伝えしているわけです。

 

2.企業・職種理解

ここまで言わないと納得しない人事もいます。(もっと面接経験つめよ)

パンフレットやWebサイトに書いてあったキーワードとか、OBOGからきいた話をもとに「御社のこういうところいいっすよねー」「いやほんと、だから私圧倒的に成長できちゃうんすよねー」って、だから5年後10年後はこうなってたい、と。「私オンシャのこと理解してるからね☆」と訴求しよう、って話。そしたら人事も安心してとれるからね。志望度高い企業に対しては、ここまで語れるようにしておくべきですよ。人事の気まぐれで落とされたらたまったもんじゃないからね。

 

 んでここまで「〇年後のビジョンはすり替えろ!」っていう話をしてきたんだけど。

あたりまえのことも言っておくと。

 

本音で話せるビジョンがあるのなら、もちろん本音で語った方がいい

  

そうじゃないから困るんだけどね。たいがいの場合。

 

ここからは「ビジョンがなくて困ってる」「ビジョンがあるのがふつうなの?」と悩む就活生に伝えたいこと。直接的なテクニックじゃないけど、読んでみてほしい。なぜ「〇年後のビジョン」がセンスのない質問なのか、さらに腑に落ちるはずですよ。

 

(キャリア上の)ビジョンなんてものは存在しない。

f:id:jobhuntinghuck:20151005184223j:plain

安心してください。ビジョンなんてものは存在しません。存在するとしても、とっても抽象的な概念になる。つまり求められている答えはないってこと。

しかもさ、自分に期待してない人間だっているわけだよ。期待はしてないけど、ふられた仕事はきちんとやる、そんな人間だって価値がある。

 

「ひとまず仕事になれて、責任ある立場を任される頃かな?」なんとなくの予想

「影響力ある人間になりてーなー」なんてふわっと思う人すら意識高い系

「幸せな家庭を築いていたい」これはプライベート

「親を安心させたい」これもプライベート

 

でも、そんな素の受け応えできないですよね?

 

まぁぼくが「10年後のビジョン」を訊かれた企業はネット系ベンチャーだったので「ベンチャー社員たるもの、仕事人間であるべし」というターゲティングのもと行われたのならいいですが、それにしてもセンスないなと思います。

 

だって「就職したらまったく新しい環境」なんですよ?仕事もやったことがない、職場の人も知らない。お金を払う側からお金を受け取る側になるわけです。その上で、時代をみすえて話をする?そんなことできますか?

何も考えていない人事ほど、具体的な「〇〇年後のビジョン」を欲しがります。視野の狭いキャリアビジョンを評価しようとします。 

んなもん存在しねぇっつーの。

彼らにとってのビジョンはあくまで、今のいろーんな前提が存続した上でのビジョンです。はぁ、そんなもん価値ないでしょ。

ここからはぼく個人の価値観によっちゃうんだけど

  • 前提がぶっ壊れた世界でどんな価値をつくっていくか?
  • そのために必要なスキルと環境は何か?
  • 自分が笑って死ねるために今何をすべきか?

を考える人間じゃないと今後生きていけないでしょ(精神的な意味で)。これ考えてないと相当苦労する人生か、諦める人生か、単調でつまらない人生になっちゃう。

 

とまぁ風呂敷を広げすぎたんだけど、要は

  • 人事は神様ではありません
  • 質問で人事が何を知ろうとしているのか?を察知しよう
  • 振り回されすぎず、気を楽に。(こんなぼくでも世界No2の企業受かった)

ってことです。

 

自分に自信がない就活生ほど、人事に認められるような就活をします。でもそんないい子ちゃん就活じゃあ、なかなか評価されないこともある。それで悩む。行き詰まる。

 

だってさー、

人事だって万能じゃないもん。

 

自分の将来のことも分からないし、日本の未来なんてもっと分からないし、あなたの人生なんて分からない。就活生の方が実はよく勉強していた…なんてこともあります。将来は見通せるもんじゃない、その実感は就活生の方がよく分かってる。

色んな人事の人がいます。みんな味方のようで、言ってることが違うことに気付くでしょう。なぜそういったのか?どういう背景があるのか?

就活の情報発信をする人がいます。ぼくも含めてです。そこでもやっぱり、言ってることが違うかもしれません。なぜベンチャーはやめとけというのか?なぜ大企業にいけというのか?なぜこのテクニックを勧めるのか?

 

1人1人のメッセージは、あなたがよく見極めなければなりません。

  • 30社エントリーしろ、というキャリアセンターの人。なぜそういったのか?
  • うちの会社はここだけの話、年収が高いんです、そんなPRはなぜ生まれるのか?
  • ESの書き方がたくさんあるけど、それぞれの想いはどこにあるのか?

よく考えてみてください。決して「楽だから」で選んではいけません。「楽しそう」な方法はいいのです。でも「ラク」を選ぶと必ずコケる。

 

「人に会った回数は、成長に直結する」。これはぼくが周囲の就活生をみていて気付いた原則の1つです。人に会うことは時に億劫で、緊張するものです。でもその緊張は、就活での成長度合そのものです。さて「偉そうなお前の考えはどうなんだ」といわれそうなので、ぼくからのメッセージを。

 

決して、迎合するな

社会に対してもそうです。企業に対してもそうです。あるいは、友達に対しても。 

  • 企業寿命は、いまや10年から5年に減りました。
  • 人気企業に入れるのは、50万人の就活生のうち、1万2千人です。
  • 日本人より安い労働力が、業種関係なく雪崩れこんできています。

大企業が国に守られるのは、大企業の崩壊が国にとっても痛手となる「雇用システムの崩壊」を意味するからです。それも長くは続かないかもしれません。

増え続ける国債。水面下で増え続ける貧困。 

企業の求める人材は、大学では育成できていません。大学のカリキュラムの是正や採用システムの見直しが図られていますが、追いついていません。

 

これが現実です。となれば、「あなたが」動くしかありませんよね。明確な答えを提示できる「大人」は、大学にも企業にもいないのですから。

だからこそ、迎合しない。このことがピンとくる大学生は少ないかもしれない。けれど迎合しないということは、「企業」にとっても「あなた」にとっても、価値がある。それを認識してこその「就活テクニック」です。 

 長くなったけど、本当はとってもシンプルなのです、就活って。

 

おわり。